液体を吸う紙であれば、用途に応じた薬品を含ませることで、機能を付与することができます。
実際に液体を吸う紙が使用されている商品として挙げられるのが、防虫剤・香料を含ませた防虫マットや香料マット、さまざまな薬品を浸み込ませる含浸原紙等です。
紙おむつに代表される、液体の固定にも、液体を吸う紙が利用されています。液体を吸う紙は、余分な液体を取ること、液体を供給することにも利用できます。
液体を吸う紙は、求められる液体の吸収量・速度によって、空隙・密度をコントロールする必要があります。クレープをつけるなどの工夫をすることも。
また、化学繊維を混抄して低密度にする場合もあります。液体の吸収量を多くするには、一般的に低密度にしますが、低密度の紙にするためにパルプの叩解を調整すると、強度のない紙になります。用途によってはそうならないよう、低密度と強度のバランスのとれた叩解調整を行います。
搾水(プレス)時に加圧の調整を行い、液体の吸収量に合わせて繊維間の隙間(空隙)の割合(空隙率)を調整することも。
SAP(Super Absorbent Polymer)と呼ばれる高吸水性樹脂の粉末を塗料化し、不織布もしくは通気性の良い紙に塗工するケースもあります。そうすると、自重の数十倍以上の水を吸収するようになります。