一般的な紙には、硫酸バンドという薬品が使われています。紙が約100年しかもたないのは、この薬品が強い酸性であるため。
中性に保った紙(中性紙)や、酸に対する緩衝材を加えた紙ならば、硫酸バンドに含まれる硫酸イオンがセルロース繊維を分解しないので、酸性紙よりも長期保存することができます。
強い酸性物質が発生する状況から対象物を護れば、酸に対するさまざまな課題を解決することができます。
製造の際、紙を劣化させる要因となる成分を添加・混入させない必要があります。この他に、紙を中性から弱アルカリ性に調整する、アルカリバッファ(酸に対する緩衝剤)を加えるケースも。原材料の選択も重要な要素となります。防カビ処理を施し、純粋な材料を使い劣化防止させる方法もあります。