一般的な紙にはある程度の調湿機能がありますが、用途によってそれでは不十分です。特に、電子材料などの製品は、湿度を極端に嫌います。
高い調湿性能を持った紙で包めば、輸送時や保存時に湿度変化から護ることができます。
一方、調湿ではなく、湿度を遮る性能が求められることもあります。例えば、湿気を吸いやすい洗剤・薬品等の容器や蓋の材料として使用したり、建築資材の合板が湿度で変形しないよう貼合したり、という例もあります。
紙に湿度を通さない層を付与することによって、湿度の通過をコントロールし、湿度に関するさまざまな課題を解決することができます。
湿度を遮る紙の場合、表面に湿度を遮るバリア層を形成し、湿度の浸透を防止します。
調湿機能を付与する場合、特殊な粉体を定着させれば、密閉された空間内で湿度の変化にすばやく感応し、絶えず一定の相対湿度を保てる紙になります。SAP(Super Absorbent
Polymer)と呼ばれる高吸水性樹脂の粉末を塗料化し、不織布もしくは通気性の良い紙に塗工して、通常の紙では考えられない調湿性能を付与する例もあります。