滅菌紙とは、菌の感染に細心の注意を払わねばならない医療現場で、使用前に器具を完全に滅菌するときのパッケージに使われる台紙のこと。医療用包装材料とも呼ばれています。
当社の滅菌紙はEOG滅菌・オートクレーブ滅菌・ガンマ線滅菌などさまざまな滅菌方法にあったグレードがあります。
都立衛生試験場で無菌試験を行い、滅菌後1カ月経過品で菌の進入がないことを確認しています。また、クリーン度の高い専用設備で抄紙し、抄紙工程においても徹底した異物・欠点の管理をしています。
原材料の搬入時、製品の出荷時には、フロア内が直接外部と接触しないよう2重シャッターにして、異物混入対策を徹底する
徹底した防虫対策として、捕虫ポールを抄紙フロアに設置している
塵、埃、虫を持ち込まないよう、専用施設に入る際にはエアシャワーで洗浄することが鉄則
滅菌紙は、紙単体で袋状にしたタイプと、紙と透明フィルムを用いたコンビネーションタイプに大別されます。最近は内容物が確認できるコンビネーションタイプが主流になっています。
注意しなければいけないのが、開封する際の紙粉(リント)や紙剥けの発生の防止(ピール性)。そのため、紙剥けが発生しないようにシール面の表面強度と紙層間強度を向上させています。
また、滅菌紙とフィルムは、ヒートシールに適したフィルムを使用する、ヒートシール剤(EVAなど)を用いることにより、加熱接着(ヒートシール)が可能です。
本来、ピール性は「はがす」、シール性は「接着する」という、相反する性質ですが、当社の技術でこれを両立させています。
密封されたパッケージの中身を滅菌する際、ガスまたは蒸気が滅菌紙を通過します。透気抵抗度(紙の空気の通過しやすさを測定した値)が増大すると通気性が悪くなり、ガス/蒸気の滅菌袋内への置換が難しくなります。当社の滅菌紙なら、透気抵抗度を適切に管理しているため、ガス/蒸気の置換は問題なく、かつ急激な気圧変化に耐え、袋が破ける危険性も低くなります。
最近では医療現場で利用する包装材料に文字の小さな精密な印刷を施すことが求められるようになり、用紙に明確に印字できるという印刷適性が欠かせません。通常、印刷適性は表面が平滑であるほど向上します。特種東海製紙の高い技術力により、優れた平滑性と均一な地合が得られるため、当社の滅菌紙は、オフセット印刷・グラビア印刷などに適しています。